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洋食器のSohbiネットショップ奮戦記

2007 / 11
04
  
セーブルとミントンとティファニー そしてマリー
  
アンティークミントン

洋食器の創美のアンティーク展でGetした愛機SH702iD(ふるっ!)画像より。
今日はちょっと長いです。
ご自宅でゆっくり日曜日おくつろぎ派用。

パテ・シュール・パテという技法があります。仏語です。
なぜなら西欧では当時のフランス王立セーブル磁器製陶所で発明されたからです。

磁土のうわずみ液(スリップ溶液)を塗り重ねて下地の色の透け具合と白の濃淡で表現
する超絶技法です。
日本では「泥彩手」といいます。

アンティークミントン パテシュールパテ_01  洋食器の創美1860年代にセーブルでルイ・ソロンが発明。
約10年後の1871年に技術開発が盛んだったミントンが彼
を引き抜きます。
で。ミントンでの愛弟子がバークス兄弟。
特に弟のアルボイン・バークスがパテシュールパテ技法
の名手となり数々の名品を残します。

←こちらもA.Birksの手によるものです。


以前にもご案内しました
が実はミントンはヨーロッパでもっとも高級なカップを製作する窯
でスーパーのワゴンのイメージは日本の商社系輸入業者が作ったもの。

盛り金(raised gold)とエッチング(acid gold)に代表される金彩装飾。
そしてこのパテシュールパテ。
いずれもフランスとの交流に積極的だったミントンの最強技法です。

1800年代後半から1900年代前半のミントンの工房ではフランス語も通じたと言われる
ほど招聘に熱心だったとのこと。

ニューヨークは五番街。
マリーの家を探します(わかった人は同世代-笑-)。

宝飾品と高級雑貨のティファニー。
陶磁器系は英国の工房に発注していました。やっぱり「金」が好き。
金彩装飾においては右に出るものがいなかったMINTONに発注します。

アンティークミントン ティファニー_01  洋食器の創美そうするとこのようなバックスタンプになります。

MINTON & TIFFANY のダブルネーム。
NEW YORK
MADE IN ENGLAND
英米連合です。

おもしろいでしょ。

キンキンきらきらしていればいいというものではありません。
新興国アメリカをあなどるなかれ。
上品さを保ちつつ金彩のゴージャスさを生かしたハイセンスな作品がオーダーされます。
ティファニーの顧客のめがねにかなう作品。

アンティークミントン ティファニー_04  洋食器の創美たとえばこのような。もちろんアンティーク。

レイズゴールドとアシッドゴールドの金彩装飾に
パテシュールパテ。

当時の最強最上技法を惜しみなく。
上品でしかもゴージャス。
このフルディナーセットって一体全体どんな?

 アンティークミントン ティファニー_03  洋食器の創美  

モチーフはいじわるいたずらプットーなので
少し残酷場面も。

これはちびっこ天使を煮詰めているところ。

ばんばん薪をくべて釜からは熱いよう~って
拡大したらわかります。

 
 アンティークミントン ティファニー_02  洋食器の創美

そしてご覧になれますか?
ブルー地の右下隅です。

まさしくアルボイン・バークスご本人の署名が。
ABの崩し文字がみえます。

もちろん三箇所ともサインがあります。


マイセンにもすごいパテシュールパテ(パットシュルパット~ドイツらしい)あります。
L.シュトルムという名人がいました。
またいずれ。

そしてパテシュールパテのすごいところは下絵付(アンダーグレイズ)という点もお忘れなく。
本焼成しない上絵付けだと「エナメル彩」になります。

さ、今日はこれくらいにして
早く五番街のマリーの暮らしぶりを見にいきましょう。
   
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